インナーソースの世界へようこそ。インナーソースは、閉じた組織におけるオープンソースソフトウェアを開発するための原動力であり、プロジェクトの “オープン性” を企業内のチームを超えて広げるものです。この本では、オライリーの編集者兼著者である Andy Oram が、オープンソース開発を成功させる原則を確認するとともに、大手 EC の PayPal でインナーソースがどのように機能したのかを説明することによって、皆様をインナーソースの世界に導きます。
PayPal がインナーソースを採用するまでの過程には企業としての意思決定の積み重ねがあり、その中にはツールと文化の意識的な刷新が含まれています。 インナーソースを通じて、同社はより迅速な開発とより良い品質を達成するだけでなく、プログラマが PayPal のどの開発プロジェクトにも貢献することを奨励し、チーム間の共創を可能にしました。
この本を通して読者の皆様は、以下のようなインナーソース戦略の具体的なメリットを学ぶことができます。
- より高速な開発: プログラマーは、ユニットテスト、コードカバレッジ、および継続的インテグレーションを使用して、初期の段階でバグを取り除くことができます。
- 完全なドキュメント化: コードを説明するドキュメントの質が向上します。コードに併記される公式なコメントの質が上がることと、チャット・チケット・ニュースレターでの議論で公式的な説明を控えることの両方を含みます。
- コードの再利用: 組織全体のプログラマーが、他のチームが開発したモジュールのコードとアーキテクチャを理解することができます。
- チーム横断的なコラボレーション: チーム外からの貢献には摩擦がなくなり、書き直されることがほとんどなくなります。
- GitHub を使った開発: GitHub では、社内用のプライベートリポジトリだけでなく、OSS 用のパブリックリポジトリも合わせて扱うことができます。